普段は栄養の話が好きで発信しているのですが、栄養以外にも発達凸凹の不具合の解消に役立つものはたくさんあると思います。
その一つが原始反射に関する知識です。
以前連続ツイートした原始反射に関する本について、興味を持ってくださった方がいらしたので、私がこれまでに読んだ本を4冊ご紹介します。
原始反射とは、赤ちゃんが生まれながらに持っていたり、乳児期に出現する反射のことで、モロー反射なんかは子育ての経験がある方ならご存じかと思います。
(有名なモロー反射以外にも様々な反射があるのですが、詳細は割愛させていただきます)
赤ちゃんの時に必要だった反射は成長とともに自然と消えます。
厳密に言えば、事故などで脳や脊髄に損傷が及んだり、パーキンソン病が進行すると、それまでに消えていた原始反射が再び見られるようになることもあるそうなので、消失するわけではないのかもしれませんが、反射の役割を終えると見られなくなります。
しかし、この反射が消えずに残っていると不具合が生じる、と言われており、反射が消失するはずの月齢、年齢になっても、もっといけば大人でも原始反射が残っている人がいます。
そこで、その残存している反射を解決しましょうというアプローチがあります。
それを知るのに役立つ本を4冊を紹介していきます。
1.子どもの「言っても直らない」は副腎疲労が原因だった」
やる気がない!落ち着きがない!ミスが多い!子どもの「言っても直らない」は副腎疲労が原因だった 本間良子・本間龍介著 青春出版社
タイトルのとおり、副腎疲労に関することがメインですが、副腎疲労以外の可能性として原始反射の残存について言及しています。
解決するためのエクササイズも紹介しています。
説明もエクササイズも簡潔で、とてもわかりやすいです。
副腎疲労と原始反射の残存、不具合の原因がどこから来ているのか、複数の可能性を考えるのにとても良いと思います。
ただ、こちらの本には赤ちゃんが胎児期から持っているという「恐怖麻痺反射」をとるためのこれといった方法がないとあるのですが、ほかの本には書いてありました。
それが以下3冊。
2.人間脳を育てる
人間脳を育てる 動きの発達&原始反射の成長 灰谷孝著 花風社
著者の灰谷さんは発達支援コーチという仕事をしている方で、発達の順序や原始反射に関する知識に基づいて子どもを中心に発達障害を持つ人たちをサポートしています。
原始反射についての詳しい説明と反射の残存を解決するための遊びなどが書かれています。
個人的には原始反射の説明に入る前の、動きの発達4段階もとても勉強になりました。
3.ブレインジム発達が気になる人の12の体操
ブレインジム 発達が気になる人の12の体操 神田誠一郎著 農山漁村文化協会
ブレインジムは1970年頃にアメリカで始まりました。
体操やセルフマッサージを行うことで、学びがスムースにいかない子どもたちの学習の助けになるというものです。
こちらも同じく原始反射についての説明と、解決するための体操やマッサージが学べます。
「人間脳を育てる」で出てくる金魚体操と類似したリズミックムーブメントという動きが紹介されています。
金魚とこちらが恐怖麻痺反射の統合に役立つようです。
人にやってもらうのも自分でやるのもどちらでも良いのですが、発達障害の方は自分で上手にできない傾向があるように思います(私調べ)
お子さんには親御さんがやってあげると良いかと思います。
4.発達凸凹を感じたらタッチライフをはじめよう!
発達凸凹を感じたらタッチライフをはじめよう! おーこ著 エスコアール
原始反射とは大々的には書いていませんが、確実にそこにアプローチする方法です。
著者のおーこさんは発達凸凹の息子さんを育て、現在は支援者として活動されています。
おーこさんは相談機関で、当時お茶の水女子大学名誉教授で言語臨床家の田口恒夫先生の古い本を紹介されます。
その本にある方法でうまくいった親子がたくさんいるから、と言われ出会ったのがタッチライフというアプローチだったそうです(おそらく田口先生がタッチライフという言葉を使っていたわけではありません)。
親にできること、親だからこそできることが書かれています。
ちなみに、おーこさんは花風社の本も参考文献として挙げています。
まとめ
どの本も勉強になりました。こういう知識があれば、子どもの性格や親の育て方を責める必要がなく、解決に向けて取り組めます。
繰り返し教えることが大切なのだという親御さん、支援者がいます。
私も繰り返し教えることは大切だとは思っています。
でも、たとえば。
姿勢をきちんとしなさいといつも注意される子がいます。
発達凸凹の子は姿勢をきちんとしなさいと言われると、姿勢を整えることに脳みそとエネルギーを使ってしまう子が多い。
あるいはそのエネルギーさえなく、一瞬姿勢を正すけど、すぐにダラっとしてしまう。
これを大人が見ると、だらしないと思ってしまうのですが、そういうわけではないのです。
だらしないと怒るより、姿勢を本人に意識させるより、良い姿勢を保てる身体(発達段階)に持っていくことが先です。
ボディイメージ(腕が、手がどこにあるかなど)が弱い人が多く、自分の身体がうまく使えないことが多い。
そんな状態の子に姿勢を正させたら、学齢期ならそれでいっぱいいっぱいで授業を集中して聞けないか、姿勢を保てずまた怒られてしまうかです。
そこを理解しつつ、姿勢を正せる身体作りを進める。
姿勢に関しての話は一例ですが、根本を解決するのに原始反射の知識が役立つと思います。
そしてこれはお家で取り組むのが一番良い。
医療者や支援者ではなく、親が最適な立場にいます。
一緒に過ごす時間が多いし、毎日の変化を見られるのも支援者より親。
お家で遊びながら、発達を促せます。
栄養療法と同じで一朝一夕で結果が出るわけではありません。
でも、きっと変化を感じられるでしょう。
この記事がどなたかのお役に立てたら幸いです。
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